Netflix「ザ・ステアケース ~階段で何が起きたのか~」

Netflixドキュメンタリー「ザ・ステアケース ~階段で何が起きたのか~」全13話

作家のマイケル・ピーターソンが自宅の階段下で妻・キャサリーンの血まみれ死体を発見。マイケルは妻が階段から落ちたと通報するが、警察は落下死とは思えない血の量や傷跡からマイケルがキャサリーンを殺したとして逮捕する。

これはマイケルによる偽装殺人なのか? 落下による事故なのか?

 

前から見ようと思っていたが13話もあるのかとちょっと敬遠していた。以前見た「ベトナム戦争の記録」くらいのボリュームなので、相当なエネルギーを要するのは必須。しかし実際見ると他のドキュメンタリーとちょっと違ってナレーションもなく当時の映像だけで構成されており、会話もカット割りなどしていて一種の海外ドラマを観てるような印象を受けた。

検証や裁判以外にもマイケルの家族の支え、弁護士ルドルフとの親交、妻の妹達との確執など見所がたくさんある。冤罪で戦うってこんなに大変なのかと、マイケル同様次第にこちらも疲れてくるのだ。特に戦友のような弁護士ルドルフとの別れや復帰の懇願など胸が締め付けられる。

 

ちなみにハリソン・フォードでドラマ化するそう、これは楽しみ(・∀・)

 

※ネタバレ

 

キャサリーンが負った謎の傷や出血量などの真相は最後まで解明されない。「階段で何が起きたのか」は誰にも分からないのだ。「無実の証明」の為の証拠品も警察のずさんな管理により汚染されてDNA鑑定すら出来ない。前妻も階段から落ちて死亡していたのだがその辺も謎のまま。冤罪という前提で見ていても、結局マイケルが犯人なのかは視聴者に委ねられている。

 

「無実」を勝ち取るために奮闘したマイケルだったが、家族やルドルフの説得により、自分を犯人に仕立て上げようとする腐敗した検察とこれ以上戦うのはリスクが大きいということで「アルフォード・プリー」司法取引で幕を引く。

「アルフォード・プリー」とは「やってないけど有罪と認めるわ、どうせ裁判勝てないし」みたいな取引きらしい、アメリカの司法制度は変わっとるのお(´・ω・`)

でも仕方ないよな、誰だってそーする、おれもそーする。

ほんとお疲れ様。

 

これにより終身刑が4年くらいに減刑されるのだが、マイケルは一度有罪になっていて8年をムショで過ごしている。それを差し引いて釈放となった。

 彼は今後「妻殺し」を背負って残りの人生を過ごすのだ。

自分がやってないという「無実の証明」をいかに勝ち取るのが難しいかを目の当たりにした。